「何をすればいいの」










私は山本君の手伝いができるならしたい。










山本君はまだ下を向いていた。









「そのー、あれだ。ちょっと人と話を合わせてくれればいいから…」




「誰と話せばいいの」




「先生と…。数分でいいから…軽く挨拶をすればいい」






「わかったわ。でも、それなら一人で行った方がいいと思うけど」







「…」










山本君は下を向いたまま、黙り込んでしまった。













私は先生を探した。








先生は壇上の近くで皆と一緒にビンゴゲームをしていた。










私は山本君と一緒に先生のそばまで寄った。












もう少しで先生に話しかけると思ったところで私の袖を山本君が捕まえた。












「やっぱり…止めとく」







「大丈夫よ。先生は山本君のことも覚えているよ」







「いや…そこが重要じゃないんだ」







「どうして…」










こんなに困っている山本君を見たのは初めてかもしれない。










私は山本君のことを考えて、先生に話しかけた。










「先生」と私は声を掛けた。








先生はこちらを見た。