そこで、身体が粒子で構築されていることを基準に考えた研究者がいた。


人間の身体を能力発生装置として、粒子が資源とする。前者を鉄の器、後者を水とする。


これらは何度も使い続けて行くうちに錆びる、もしくは割れるためである。


錆びるか割れる現象を能力病とした。


器の大きさは人それぞれによって異なる。


または粒子を集める場所や出力によって異なるとされる。


実際、アカネが使用する『感覚』能力者で脳に粒子を集めるタイプの人間でも能力病が発生しないのは、粒子の能力使用時の使用時出力限界が低いためである。


私のような制御できないタイプは当然のように使用限界を超えた出力を行う。


そのため、器が錆びるどころか器が割れてしまうのが早いと考えられた。










粒子が空気中のだけではなく、原子レベルであるとするならば、これらを解くことで世界の全てを解明されることになる。


つまり、数年後にはこの世界に起こる現象や法則の答えは全て粒子がもたらすものと答えになる。


そうなれば、科学者や技術者に残された道は一つしかない。


それは粒子構成を自在に操ることだけだ。


世界の研究者達は演説から、この考えに皆が導いた。


その結果として、将来性のない研究をするよりは未開の地で、仮想世界から学んだことを後継者に伝えるべきだと考え、演説から一カ月後に技術者や科学者等が大勢参加することになった。