半球体は地上に落ち続けていた。


徐々に落下し、半球体がビルの一部に当たった。


私たちはビルが崩れると思った。


しかし、崩れない。


半球体の一部はビルを囲んだ。




「これは…」




徐々に周囲の高い建物に当たっていくが、同じように周りを囲んだ。


私達はその現状を不思議に思いながら、半球体の落下物に触れた。


悲鳴声が周囲で聞こえたが、すぐに止んだ。






この半球体はただの空気の塊だった。


周囲は霧で包まれた。


徐々に霧が無くなり始めた。


周囲の状況が確認できるときには、霧は町にある高いビルに吸い込まれていった。






周囲の霧が全て消えたあと、アカネ達はしばらく空を見上げていた。


空は快晴だった。