「超越者。それがお前の限界か」




息切れしながらアイドは答えた。




「まだ、こんな戦力が残っているとはね。
さっさと帰るべきだった」


「逃がすと思うの」




アイドは呼吸を整えた。


そして、アカネ達を見た。




「いい絵だ。ガキが描いた通りになった」


「どういうこと」


「『W』五代目総長と六代目総長、それに報告で聞く強者達。
やはり、ガキには荷が重いな」


「何を…」




バーン




ここから出た音ではなかった。


私は周囲を確認した。


遠くの方でビルが崩壊していった。




「あれは…」




アカネ達は崩壊するビルを見ていた。


アイドは小さい声で言った。




「ガキ共を返してもらう」