毎年12月29日。
雪が降る。

…そんなロマンチックな
ことはないけれど。

僕が琳を
想って空を見ると、

雪が降ってきた
こともあった。

僕は思いだす…

《琳が1番好きなのを
プレゼントするから》

何となくだけど、

琳からの
プレゼントは雪だと思う。

“ゆき”は僕の名前だ。

僕がこう
思えるようになったのは…

琳の手帳に書いてあった
メモをみたからだよ。

―‐―‐―‐―‐―‐―

柚希に言えなかったこと。

柚希のクッキーを
勝手に食べたこと。

柚希の背中に
落書きしたこと。

ごめんね?


琳は柚希にお別れを
言えなかったと思う。

だって、
お別れしたくないもん。

だからね、
琳がお星様になったとき
柚希が悲しんでたら…
琳がね慰めてあげる!

大好きだよって
ちゃんと暗号は
言ってると思うよ?

琳が言った言葉
思い出してねっ!

少し遅い
クリスマスプレゼントだよ。

ずっとずっと大好きだから

        琳より


―‐―‐―‐―‐―‐―



…毎年少し遅い琳からの
クリスマスプレゼントは
僕だった。




      ***