「あはっ、
柚希コレ目つぶってる!」

琳はプリクラをみながら
…プリクラに写った
僕の顔をみながら笑う。

笑ってくれるのは
良いことだけど…

自分の顔みて笑われるのは
いい気分じゃないな。

しかも一回じゃなく
何回も。

「柚希!
また撮ろうねっ♪」

おねだりしてくる
琳は可愛い…けど。

「イヤだ。」

キッパリとそう言った。

すると琳は
何でー?!
って顔をした。

何でって…
琳が馬鹿にするからだろ。

ちょっと
拗ねたように顔を背けた。

ひらめいたように琳が

「ふっふっ、柚希くん
拗ねてるのぉ~?」

からかう口調で
言ってきた。

「別に」

怒ったように言うと。

「ごめんねっ!
ウソだよ~♪
…ゲホっ、ゲホっ」

訂正したあとに
痰が詰まったような
咳をした。

急いで振り向くと

琳の口元と手には
血がついていて、

琳は苦しそうに
ベッドにうずくまっていた。

僕は一目散に
ナースコールを押して
琳に飛びついた。

「琳!りんっ!」
と呼ぶけど
返事はなくて

返ってくるのは
ゲホゲホと
咳の音だけ。


  *  *  *  *