「あれ猫が…。そっちに行ったら危ないぞ−。」 1人の男がおだに気付いた。 でもおだはその男の不自然な言動に気が付かなかった。 彼女のもとへ行くのに必死だった。 それしか頭になかった。 家の壊れた隙間から“ゆっくり”足を踏み入れるといっきに走り出した。 煤だらけの肉球は“テンポよく”地面をける。 長いしっぽが“素早く”空を切る。 “熱気と煙の匂い”でむせ返る。 “「にゃ−ぉ…!」” −−−たしかこのあたり…。