その日からおだは少女の家に住み着いた。

黙ってついて行ったら優しい笑顔で応えてくれた。

「おだ」それが少女がつけた僕の名前。

−−−僕はおだなんだ。

そう思うと懐かしく切ない思いでいっぱいになった。

そして1週間をすぎるころには

 目をつぶれば風が頬を撫でるのを感じる。
 耳を済ませば誰かの話し声が聞こえる。

そんな些細事まで幸せに感じるようになった。


あの頃のように…