「お前、猫…?」
少女が不思議そうにしゃがんでこっちを見ている。

烏猫の四肢も残すところあと1本。

もはや猫の姿とは言えなかった。

200年もの間、中途半端に生き続けた烏猫。
なのにふと、
最後にこの少女の願いを叶えようか…と思った。

「かわいいね、お前。」

頭をわしわしされる。

なんだか切ない気持ちになった。

「おいで。暇つぶしに私の話しを聞いてきなよ。」

烏猫はこくっと頷き隣に座った。

少女の他愛のない話しは魅力的に感じた。


「っと。今日はもういぃや。また今度聞いてね?猫ちゃ…。」

少女は首を傾げる。
そしてこう言った。

「君の名前はおだ だ!」