次の日からの烏猫に「鼻」はなかった。 烏猫は自分の「鼻」を代償に主人の命を引き留めたのだ。 あの夢の通りになった。 烏猫の魔法が効いたのだ。 烏猫には鼻よりなにより大切なものがある。 そのための代償だ。 悔いはない。 この時烏猫はむしろ感謝したくらいだった。