「まぁまぁ、座ってよ。」

 河上さんが椅子を引いてくれる。




 私の目の前に座っているのはインテリ派の八神さん。


「優枝嬢。書類を…」

「あっ、はい…これです…。」

「もう少しはきはきとしゃべってはどうです?」

「ごっ、ごめんなさぃ…」




 蓮がいないと怖い事務所。




 書類を渡す手もプルプル。




「優枝嬢。ケータイなってますよ」

「あっ、ありがとぅ…」




 語尾が小さくなっていくのが自分でもわかる。





 蓮にもらったピンクのケータイを鞄から出した。



「おっ、蓮様じゃん」


 横からのぞく河上さん。



「もしもし?」

『優枝? 今どこ?』




 蓮だぁぁ~…。



 癒されるっ!!