完璧男子

「おはようございます。蓮様」


 ドアの向こう側に立っていた蓮に挨拶をする塚本さん。


「おはよう。塚本、今日の帰りは車な?」

「…わかりました。」

「あとさ、優枝声でねぇの知ってるよな? 質問があるなら優枝じゃなくて俺に言えよ。 優枝にはキツイから。」




 私に見せたような笑顔は見せなくなった塚本さん。


「優枝、行くぞ」

「…ん」


 蓮にパッと手を取られて歩きだす。



「今日の授業どうする?」

「?」

「しゃべれねぇだろ?」

「…ぁ…」

「無理に出さなくていい」


 コクリッと頷く。



 こんなに優しい蓮が私の元から離れちゃうなんて…。





 考えてみたことなかった。