早口で捲し立てるように言われ、何だか気圧されるようにそうかと頷いた。




……何が、そうかだ。




わたしは彰哉の報告について、何も納得なんてしていないくせに。


ちらりと視線を動かしてみると、彰哉はせっかく彼女ができたと言うのに全く嬉しそうな顔をしていなかった。

どこか面倒臭そうな、無気力で怠そうな表情。



『……よ、良かったじゃないか!おめでとう。しかし、まさか彰哉のような男と付き合う女がでてくるとはな!もう高校生だもんな、わたしもうかうかしてられないな。だが残念なことに、わたしに釣り合う殿方は中々現れないものだ』



ペラペラペラペラと何をぬかすんだ、この生意気且つ天の邪鬼な口は。


本当は欠片も祝福なんてしていないくせに、見せ掛けの言葉だけは易々と口から飛び出す。

ぎりぎりと唇を噛み締め、これ以上余計なことを言わないように努めた。





―――が、呆気なくこの小さな堤防は破られることになる。