幼馴染みに、彼女ができた。







学校の校門を出たところで突然本人から告げられた、何の変哲もない事実。

しかしそれは鋭い杭となって、わたしの胸を抉るように貫いた。




ずきんっ。
ずきんっ。




その衝撃は指先にも伝わったらしく、掴んでいた鞄を思わず落とすところだった。



…そんな、莫迦な。



あの無愛想で無口な幼馴染み―――彰哉(しょうや)に、この彰哉に、まさか彼女ができる日が来ようとは…!


今まで一度も聞いたことないぞ、わたしは!



『い、一体相手は誰だ!歳は近いのか!いつから付き合ってるんだ!告白はどっちからしたんだ!ど…どこまでいったんだ!』



声を荒げて激しく問い詰めると、彰哉は眼鏡を押さえひどく辟易した顔をした。



『(……そんな顔しなくても良いじゃないか)』



わたしはこの表情を見て、余計に傷付いた。




「名前は、山本優梨。同い年。向こうから3日前に告白してきた。なにもない、メールと電話のやり取りだけ」