*來堵



うっとうしい女が増えた。




俺にさわるなって話だよな。




香水ムダに使いやがって。





なんとか振り払って教室に戻った。





「あ、來堵だ〜。」

「モテモテだね。」

「…なんでいんの?」





教室に菜架はいなくて、いたのは違うクラスのはずの莉乃と芽依。






「お兄ちゃんの彼女に会いに来たんじゃ〜ん♪」

「あくまで彼女ね?」





ムカツク。




別に会いに来てほしい訳じゃないけど、なんかムカツク。





「…菜架いないんだから帰れ。」

「菜架リンさっきまでいたもーん。」

「は?」

「先生に会いたいとか言って出てったけど。」





はぁ?




あんなオヤジに会ってどうすんだ。





「それよりさぁ、來堵ってばあんなんじゃ菜架リンに愛想つかされるよ?」

「あんなん?」

「やっぱり気づいてないし。…あんなに他の女に触らせてどうすんの?」

「別に触ってほしい訳じゃないし。」

「もう!!來堵なんか疾風の足許にも及ばない!!」






そう言い捨てて莉乃は教室を出ていった。




つか、疾風さんを出したらダメだろ!!




あの人は彼氏として完璧だ…。