ザッ。 「――?」 「そうっすよ。下級生イジメは良くないっす」 良太だ。 「元々サイアクなのに、余計落ちますよー?評判がー」 拓真が感情をあらわにしている。 …明日はヤリでもふるんじゃないか? 「…皆さん、下がって下さい」 ずっと黙っていた景くんが、あたしの肩を引っ張った。 「へ?ちょ――」 そのままあたしを押しのけ、前に出る。 「おやおや…来てくれる気になったのか?」 田沢の問いには答えず、景くんは腕を組み、片方の眉を釣り上げた。 綺麗な顔だから余計迫力がある。