「…連れ去る…?私を…?」

どういうこと?

銃を持った刺客から遠ざける為じゃ…

思い悩む私を見て、楽しそうに笑う間宮様。

「……見せてあげる」

そう言って懐から取り出したのは、不思議な形をした黒光りする物。

私は弓鶴様を見上げて問い掛けた。

「なんですか、これは…」

弓鶴様は目を閉じ、ふっと息をつくように答えを出した。

「――銃だ」

……………

え??

じゅ、銃、って…


突然後ろに引っ張られる。

目の前にあるのは凛の背中。

「ひっ…姫様!こいつらが、通直様を……!」

――そんな、馬鹿な。

縋る思いで弓鶴様を見上げる。

だけど彼は私を真っ直ぐ見据え――

「……そいつの言う通りだ。確かに徳川通直は俺の命で間宮が殺した」


……そんな……