「ねぇねぇ昌也君!」
「・・・・ん?」

休み時間はたいてい海弥は昌也といる。
今日も海弥は昌也とおしゃべりをするようだ。
「・・・今日もしゃべってるね。」
「そうですねー」
「怪しいって!絶対好きだって!」
「そうですねー」
芽琉と六はこっそりと海弥に視線を向ける。六が見る限りは昌也に嫌な表情はない。
海弥も楽しそうにしていた。

―――その時。

パチッと。
ふいに海弥と六の目があった。
六は突然で目を背けてしまったが海弥は六の方をじーっとみていた。
「律千さーんっ!」
海弥は笑顔で手をふってくれた。六はやっぱりバレてたんだぁ、と思いながら手を振りかえす。
「・・・・六って呼ぶんじゃなかったっけ?」
「ふぇっ?」
ぽつり、とつぶやいた。
だって「海弥」って呼んでいいってことは海弥も「六」って呼んでくれるってことじゃないのか?と六は思っていた。
予想外の言葉に海弥は戸惑った。しかし嬉しくなってパタパタとこっちに来た。
「ねぇ!それってどういう意味!?」
「え、どういう意味って・・・なんでもないよっ!」
「気になる気になる!」
「んー・・・まぁ、六って呼んでよ。」
六はだんだん恥ずかしくなって適当に話を終わらせる。


だって恥ずかしかったし
なんだかこういうのいいなぁ、って思ったから。