[side Kai]




グラウンドを駆けまわる子供たち。

視線をくるりと回転させたら目に止まった、その姿。
芝生の上にチョコンと座ってる小さな顔とその下の華奢な体。

なぜだろ?

オレは吸いよせられるように歩みよったんだ。彼女が座るその場所へ。


「おはよ」


声をかけ隣に座ったオレに、瞬きすることを忘れたように目を見開いた彼女。

一週間前の、酔っぱらっていた時のことなんて覚えてやしない。

でもさ。

なぜだか、その顔だけは覚えていたんだ。
そう。はっきりとね。