[side Kai]




「おはようカイちゃん」


日曜の朝。
リビングへ顔をだしたオレに、キョウコちゃんが優しいスマイルを向けてくれた。

それは、絶対に裏切れなくて守りきらなきゃいけない笑顔。

それはオレがオレ自身に、ガキの時からずっと誓い続けてきたこと。


「よく眠れた?」

「うん。夢を見たよ」

「夢……? あら、どんな?」


“ミルクチョコレート”の夢だよ。

その言葉を思い浮かべたけど、でも口にするのはやめておいた。
だってさ、急にハズい気持ちになったから。