まだ暑さが少し残る頃だった。 わたしの生まれて初めての恋は終わったの。 淡い色をつけた心は、フワフワと風に乗ってシャボン玉のように吹かれ、そして壊れた。 病室で抱きしめられたあの後、カイ君とは会っていない。 ただ、彼が大学を辞めて今はこの町にいないということだけは最近知った。 一度だけ彼へ電話をしたことがあるの。 でもその回線は繋がらず、その番号はもう使用されていないことをアナウンスが教えてくれたんだ。