「カイちゃん?」


伺うように病室の中へ入ってきたキョウコちゃん。


「ミトちゃんは?」

「……帰ったよ」


静かに答えたオレに、キョウコちゃんはただ黙って頷いた。


「オレって、午後には退院できるんでしょ?」

「そうね。別に大きな病気じゃないから。発作で倒れたって言っても、お酒のせいもあったみたいよ。
飲めないくせに、ほどほどにしないと」


腕組みをしてそんなことを言ったキョウコちゃんが可愛くて、オレは思わず吹きだした。