[side Mito]




白い壁、薬品のにおい。
窓際に置かれた一台のベッド。

その上で彼は眠っていた。

救急車で運ばれた時は大変な状態だったみたいだけど、いまは穏やかな顔をしている。

その寝顔に安堵すると同時に、わたしの胸は押しつぶされるような苦しさを感じていた。

それは昨夜見てしまった光景のせい。

うちへ電話をかけてきた遠山君は言ったの。
『面白いものを見せてあげる』って。

そしてその後で
『ネーチャンの代わりに復讐してやるんだ』とも。