Bitter Sweet Kiss

「思いだすわね」


テーブルの上に置かれたミルクチョコレートに、キョウコちゃんが手を伸ばす。

いまではいろんな店に置いてある輸入品だが、当時はもっとめずらしかった。


「アレルギーがあるからダメだっていくらわたしが言っても、あなたはカイちゃんに甘くて。お医者様のくせに」


懐かしがりながらそう放ったキョウコちゃんの言葉に、オレは制止した。


「泣き顔を見てたらついね。
たったの一粒をこっそり渡してるのに、君はいつも感が鋭くて」


望月も微笑する。

オレだけひとり取り残されたように、その場に立ち尽くした。

だけど二人はそんなこっちの心情に気づくことなく話を続ける。