「ねぇ ミト、ヤマトがまだ帰ってこないの。迎えに行ってくれない?」

「まだ帰ってこない、って、だって今日もサッカーでしょ?」

「そうなんだけどね。今日の練習は午前中で終わるって言ってたのに帰ってこないのよ」


ベランダから家の中へ上半身だけ乗りだし、壁掛け時計をのぞいてみると1時をまわっていた。
いつも口ぐせのように『腹へった』を繰り返すヤマトなのに、どうしたんだろ?


「わかった。わたし行ってくるよ」


答えながらプランターに視線を移す。
そしてわたしはちょうどよい大きさになった葉を一枚摘みとってから、立ちあがりサンダルを脱いだ。