「だからサユも最初から言ったでしょ。カイ君は忙しい人だから来るかはわかんないわよって」

「じゃあ、どこへ行ってたの!?」

「そんなのサユだって知らな~い。まっ カイ君のことだから、ご学友の女子大生とデートでもしてたんじゃない?」

「えーっ!!」


テンションは低くてもユウちゃんの声はいつも通り大きくて、クラスメイトの視線が注がれた。

昨日、サッカー場でカイ君と会ったことはもちろん秘密。だけどユウちゃんが嘆くたびに、わたしの中で罪悪感が膨れていく。

昨日の夜は、前の日からの寝不足のせいで眠たいはずなのに、昼間の出来事のおかげでなかなか寝つけなかった。

話をした時間は長くはなかった。

だけど彼の笑顔が声が、目に耳に焼きついたように離れなくて。

わたしは自分の中の想いを抱きしめたの、何度も何度も。