偽りの my lover

 




「……涼宮さん?」




荷物を取って、

帰るだけなはずなのに

俺は無意識のうちに

彼女に話しかけていた。




「後藤くん?どうしてここに居るの?」




いやいや、

"どうしてここにいるの?"

って、俺もお前に同じこと聞きだいわ。




「屋上で寝てたら、いつの間にかこんな時間だったんだよね」

「後藤くん寝過ぎでしょ~!たしか5、6時間目も出てなかったよね?」




"フフフ"と静かに笑う涼宮さんの頬には

一筋涙の後が残っていた。