20XX年1月1日


神社で初詣したあと、万里弥ん家でテレビ見てて気付いたら寝てた。

「琉生、起きて。」

「いま、何時……?」

「六時半。初日の出見るんだろ?」

「んー……。」

初日の出みたいけど眠い。

近くの歩道橋で見た。

すげぇキレイで感動した。

もー、ほんとキレイ。

忘れたくないなぁ。

「琉生、今年もよろしくな。」

「……うん。よろしく。」

今年も万里弥やかんながシアワセな一年になりますように……。


万里弥とバイバイして家帰って、親父と会う前に荷物持って貴央とばあちゃん家へ。

「貴央〜、琉生〜、久しぶり!元気してた?」

インターフォン押した瞬間に美里が飛び出してきて、ぎゅーってしてくれた。

「元気元気!」

「それより先におめでとうだろ(笑)」

笑いながら家に入った。

「二人ともあけましておめでとうー!」

相変わらず元気なばあちゃんと、いっぱいのお節料理が出迎えてくれた。

「美味そ〜っ」

「こら、琉生。挨拶が先だろ!」

つまみ食いしようとしたら、貴央に叩かれた。

「あれ、そういやじいちゃんは?」

じいちゃんの姿が見当たらない。

気まずいフンイキになる。

「………琉生。おじいちゃんは去年亡くなったでしょ?」

「ぇ…。」

小さい子に話すように美里が言う。

ばあちゃんが仏壇がある部屋に連れて行ってくれた。

………じいちゃん死んじゃったんだ。

忘れちゃってごめんね。

中学の途中からぜんぜん会ってなかったけど、昔はたくさん遊んでもらったなぁ。

じいちゃんが死んだショックと、それを忘れてたショックを受けて悲しくなった。

「そんな悲しんでたらじいちゃんも悲しむよ。ほら、お節食べて元気だしな!」

「うん。」

お節美味かったー。

最近、食欲ないしぜんぜん食えなかったけど。

あと、美里とばあちゃんがお年玉くれた!

俺、バイトしてねぇからこんな時しかお金もらえないんだよね。

美里出てってから、(アル中気味の)親父の稼ぎはアテになんねぇし。

貴央の給料でやりくりして生活してるから、小遣いくれまで言えねぇし。

うちのお兄さまはくれるけどさ。

とりあえずお年玉はありがたい。