幼い私に、おばあちゃんはよく言い聞かせていた。


「いいかい、砂雪(サユキ)。銀のオオカミを見つけたら、決してついていってはいけない。魅入られてしまったら、二度と自分に戻れないよ。」



幼い私には、よく分からなかったけれど。


何時からか、その言葉は私の中で忘れ去られて行った。