あたしは怖くて目を瞑る。






そのとき…



「っとに。呼ぶのおせーんだよ。」


バキッ




あたしが今来てほしかった人の声。



うっすら目をあけてみる。




「…高谷君っ!」




下を見ると、雄輔が倒れてた。




うっわ…。




あたしはささっと高谷君の後ろに隠れた。


「大丈夫か?」


高谷君が声をかけてくれた!



「うっうん、大丈夫!」





そのとき、雄輔はよろよろと立ち上がり、



「なんで、お前が来んだよ!!」



なぜか、キレていた。



なんでキレてんの?



「はっ?オレが来たらおかしーか?」



高谷君は余裕そう。



「今俺たちはいいことしようとしてたんだよ…邪魔すんなよな!!!」



…あたしにとったら、全然いいことじゃない…。



「へぇ?どんなこと?」



高谷君は、興味しんしんな様子で聞いてきた。



「えっ…えっと…その…」



雄輔は、言うのが恥ずかしいのか、もじもじしている。



「……(きも…)」



「言うのも恥ずいくせにヤろうとしてんじゃねーよ。」



高谷君は、呆れたように言った。




「…お前にかんけーねぇだろっ!!!」


そう言って雄輔は、殴りかかろうとしてきた。





…なぜかあたしに。



はぁ?



「…。」


あたしは雄輔の足首らへんを蹴った。


「!?」



雄輔はあたしのほうに倒れてくる。



あたしはそれをひょいっとよけて言った。



「…よわ。」