帰り道、沈黙が続いた。 おんなじペースで歩けるように、ゆっくり歩く。 生ぬるい風だけが、通り抜けてく。 きっと、おばさんも、俺も遥も前に進めてるんだと思う。 けど、俺はどうしようもないバカだ。 莉紗さんのこと。 そんな話もわざわざ遥にするし……。 「まーちゃんのお母さんに会えて、良かった。 心の絡まった糸がほどけていくような、そんな気がした」 「うん」 遥の言葉に、ただうなずいた。