「……なに?」


数時間後。

聞き慣れた音で目を覚ました私。


無視しようと思ったのに…鳴り続けるバイブ音。

千歳が起きちゃうよ。


「朝っぱらから、誰?」


渋々ながらもベッドから出て、足元にあった服を適当に羽織って……

床に転がっていたそれを確認しつつ、私は部屋の外に出た。


「……もしもし?」

―-「百花っ?よかった。やっと繋がった!」


聞こえてきたのは……


―-「昨日、途中で急にいなくなるんだもん。びっくりしたよ。」


昨夜、ここに来る前に一緒だった…友達の沙織。


……そっか。私、何も言わずに抜けて来ちゃったんだっけ。

ぼんやり考える。

それどころじゃなかったもんなぁ。

早くしなきゃ、ってずっと焦ってたから。


―-「百花、かなり飲んでたじゃない?だから、みんな心配しちゃってさぁ。
特に岡本くんなんて……」

「オカモト…?誰それ?」


聞き覚えのない単語に首を傾げれば、


「やだなぁ。百花、楽しそうに話してたじゃない。






 合コンが始まってから、ずっと。」