「ねぇ、ちーちゃん。知ってる?」


俺たちが“キョウダイ”になったあの日。


「“弟”って言うのはね、“お姉ちゃん”の言うことは何でもきかなきゃいけないんだよ?」


アイツは得意気に言った。


「そうなのっ?」

「うん。そういう“きまり”なの」


無垢でカワイイ“コドモ”だった俺は、疑うことなく素直にそれを信じた。


「ちーちゃんは、今日からモモの“弟”になるんだよね?」

「うん」

「そして、モモがちーちゃんの“お姉ちゃん”になるんだ」


たった1歳の差。

誕生日にしたら、3ヶ月も違わない。

それでも、戸籍上はそういうことになるわけで……



「だから、モモの命令は“絶対”なの。ちーちゃんは、何でも言うこときかないとダメだからね?」





このとき交わした無邪気な約束が


今も俺を縛り続けている――