「センセー」

「なぁに」

「俺、保健の授業したーい。実技で!!!」




目の前の年下の少年の言動に、私は飲んでいた麦茶を噴き出しそうになった。




「センセー平気?」

「平気ッ、ゴホッ、じゃないッ」

「何?中学生にからかわれて動揺する高校生がどこにいるわけ?」

「うるさいッ!」




私、
御坂 葎【ミサカ リツ】は、
名門女子高、檪原学院の2年生。


ひょんなことから、目の前の少年、

新條 藍【シンジョウ ラン】
中学3年生の受験勉強の面倒を見ることになった。



その、つまり、家庭教師というやつである。