薫を好きになったときは まさか高3まで片想いだなんて思いもしなかった。 こんなに薫でいっぱいになって、で結局、バカな親友を選ぶなんて、自分でも驚いてんだ。 「いろいろあったな…3年間」 そして、僕は足を止め、見上げた木が桜の花いっぱいになるのを想像する。 「また、来るんだな。恋の季節が」 そう言って、 僕はかけているメガネを右手でクイッと上げ再び歩き出す。