引っ越すちょっと前のことだった。


校舎の裏でキスをする彼氏のツトムとサヤカがいた。



ツトムが女ったらしなのは知ってたし、こんなことがあっても可笑しくはない。

けど、サヤカがどうしても許せなかった。


サヤカが悪くないことは知ってった。

どうせ、ツトムから強引にしたに決まってる。



なのに憎くてたまらなかった。
裏切られた気がして、幸せを壊された気がして。


だからわたしはサヤカに嫌がらせをした。


ほんとちっぽけな嫌がらせ。
無視したり、嘘を周りに撒き散らしたり........。

憎かったはずなのに、そのときの私には それが限界だった。



しばらくたつとサヤカへの怒りが嘘のようになっていて罪悪感と後悔が一気に襲ってきた。


だから、わたしはこれ以上サヤカの笑顔を壊したくない一心で嫌がらせを止めた。