[紗耶香]



「はぁ。はぁ。」


気が付けば走ってて
どこに行ったかわからないたっくんを探してた。



いたっ!!!


盗み聞きなんてしちゃだめ…。


そう思うのにすべてが
耳に集中する。


「ごめん。」


謝ってるたっくんを見ると胸が苦しくなる。



確かに遊び人だって噂はあったけど…。




そんなことを思ってると涙がこぼれた。




くるしいよ…


信じたいのに…。




ダッー



私は走り出して人気(ひとけ)のないところに来た。


そこのベンチに座る。




足もいたいし休憩しよ…。


さっきたっくんに渡された残りのジュースをのんだ。




「ふぅ。」


せっかく上手くいってたのにな…。



裏切られた気分だよ。



今も遊んでるのかな?