「なぁ、もう忘れたか?昔のこと。」


ビクッ


そのことを言われた瞬間俺は、びっくりして下を向いた。



「はははっ…忘れれたらいいよな…。」



思い出すだけで辛くなる過去。



俺が中学のときに心に受けた大きな傷。




「達也…。もうすぐ2年経つぞ?忘れろよ。」


「うるせぇな~、もういいよっ
蒼伊、バレーしようぜっ」


俺は蒼伊が持っていたボールを取った。


「…いつまでもにげてんじゃねーよ。」


グッと握った拳。


はっ?

にげてる?


「うるせぇな。にげてねーよ。」


そして俺は蒼伊に、バレーボールを投げつけた。


バンッと壁にあたる音が響く。



「おぃお前らなにしてんだよ。」


先生がいそいで止めに入った。