「…どうすんのよ」
眠い。体が疲れていて、関谷の腕の中は恐ろしく安心できる。それに優しい香りがして…
「なにが」
関谷の低い声は耳に心地よくて、
「これ以上、あたしをあんたでいっぱいにしてどうするの」
あんたの温度は優し過ぎて、あたしをいつだって狂わす。本当、殺す気なの。
「…っ、なんだそれ」
関谷の腕が僅かに弱まる。ああ、駄目、なんだか眠気が酷い。
関谷の顔が赤い気がする。だけど、暗闇だし、気のせいかしら。
あたしの意識はもうそれ以上は襲ってくる睡魔に勝てなくて、関谷の声が遠くで聞こえた気がしたけどよく分からない。
「ったく…人の気も知らねーで」
だから、あたしの目元に優しくキスが落ちたのは夢だったのかもしれない。
Fin

