座り心地の良さそうなスエード調のブラウンのコーナーソファ、シンプルなガラステーブル。延長線上にある最新式の電化キッチンは、使ってんのか?と聞きたくなる位綺麗で、見渡す広くてまとまったリビングに舌打ちしそうになる。
何から何まで綺麗に出来てちゃ面白くないわよ。関谷にこの感想を抱くのは初めてじゃない。だって、こんな常識外れに強引なのに、何をさせてもスマートだなんて、世の中間違ってる。
「紗織、おまえは玉ねぎ担当」
関谷はポイッと玉ねぎをあたしに投げて、自分は冷蔵庫を開けて、何やら取り出している。
あたしは玉ねぎを持ったまま、この綺麗なキッチンを汚すのかと思うと僅かながら思い切れず躊躇しているっていうのに。

