忙しいなら無理に時間を作らなくてもいい。それに、今日みたいな時に迎えに来てくれるのは流石に気が引けるし。大人なんだから、そんな付き合いでいいと思うあたしは、若くないのかもしれない。
『いつも一緒にいたいタイプなんですぅ』
色んなハートマークが散らばったかのような声を出した小倉さんを今何故か思い出す。駄目だ。やっぱり人種が違う。
『それに、カラダが求めちゃってますもん』
―………。
「なんだ」
関谷の低い声でハと我に返る。
「別に、忙しいなら、無理しなくていい。今日もタクシーで帰る予定だったし」
あたしはたった今の思考を容易に見透かされそうで早口で、結局その言い方も考えず言葉を放つ。
「あ?」
案の定関谷は、心底呆れたような声で短く返事を返した。

