そんなあたしには関係ないことを思いながら、 柚野さんの運転で連れてこられたのは世界的に有名なブランドのお店。 「あたし好きなんです、ここのお店」 「はい。社長からこの店を指定されました」 ……聖、あたしの好きなお店覚えててくれてたんだ。 「なんでこういうことには気を回してくれるのに……普段は適当なのかな」 「適当ですか?」 車のドアを開けてくれた柚野さんは穏やかに聞き返してくれる。