「 … そうやって投げて
子供に考える事、おしつけるんじゃん! 」
「 お、上手い事言うな
さすが国語5だな 」
「 …子供にだって
大事なこといっぱいあるんだよ!! 」
「 俺も大事にしてたオモチャ
片付けないからって捨てられた時は
怒って家出したぞ 」
「 …… 何捨てられたのよ 」
「 ず〜っと一緒に寝てたヌイグルミな
名前までつけて 」
「 …どんな名前…? 」
「 それは言えないな 」
「 …変なナマエなの? 」
「 変じゃないけど、
当時の俺の人格全てが
まる見えになる名前なもので
恥ずかしくていえません。 」
毛布から少し
大惨事の顔を覗かせていたリルカが
クスクスと笑い出す
「 …そんなに、大切だったんだ 」
「 大事だったなあ
―― 何しろ死んだお母さんが
唯一買ってくれて、
手元に残ってた物だから 」
リルカが起き上がった


