「春夏秋冬」



電車の中でも、昨夜の事は話しに出ない。恥ずかしさもあったのだろう。

そんなものだ。

海でどうだった、だとか、海にまつわる怪談話をしたり。

そんな事をしている間に、時間は過ぎ去ってしまった。


そして、駅に到着して。


「今度は、もっと勇気出してよね。」

「え?」

「ばか。」

「・・・。」

「ふふ・・・。」

「じゃあ、今。」

「え?」

「僕と、付き合ってください。」

「・・・ふふ。」


「昨日、考えたんだ。終わった後。僕は、君が好きだ。澤口さんが、好き・・・。」

「じゃ、来学期からはキミのお弁当作ってあげるから。」

「・・・。」

「あたしは料理デキるんだよ?」

「期待してるね。」

「任せろぉぉぉぉ!」

「はははっ!」


手を繋いで。


以前だったら、不思議な感情、としか表現できなかっただろうこの気持ちを。今は、きちんと言葉に出して言える。


これは、愛なのだ。




おしまい。