今日も、学校に「とりあえず」通っている。

何もしないよりは、無駄かもしれない勉強をやっておいた方が。そう言い聞かせて学校に通っていた。

何の為に、と聞かれたならば困るのに。将来のため、と自分でもよく分かっていない答えを提示する。

それがどんなに自分を苦しめていた事か、分からないままに。


放課後。

友人たちが話していた。何を話しているのだろうか。

分からなかったが、なにやら深刻そうな話をしている。帰宅する直前で声をかけられた。


「なぁ。そろそろ高校、決めないと。お前は?」

「あぁ・・・。そうだね。どうしようか。」

「どうするってよー。お前は勉強してるし、あそこいくんだろ?あの進学校。」

「たぶん・・・。」

「頭がいい奴は気楽で良いよな~。進路なんて選び放題だもんな。」

「・・・。」


そんなことない。そう思っていた。

たくさんの選択肢があるからこそ、迷ってしまう。


どこが一番良いのか。自分は何がしたいのか。自分は何を学びたいのか。それが分からないから迷っている。


しかし、そんな贅沢な悩みは誰にも言えず。頭の片隅に進路の事が詰め込まれる結果となった。


まだまだ先の話だと思っていたのだが、もう目の前の話題となってしまっている。また一つ、悩みが増えてしまった。