僕の気のせいかも知れないが、何者かに監視されているような気がしてならない。

「――一体何だ…」

僕は息を吐いた。

夜の気温も手伝ってか、吐いた息が真っ白だった。

コソコソと隠れているくらいなら、何かを言ったらどうなのだろうか?

そう思いながら、僕は少し歩調を早くした。


「ただいま」

「おかえりなさい、春ちゃん」

僕は聖にカバンを渡した。

靴を脱ぐために僕は腰を下ろすと、
「聖」

聖の名前を呼んだ。