「お見合いの件で金井さんが私の家にきた時です。

トイレに行こうとして真夜中に起きた時、金井さんが誰かに電話してたんです。

電話の相手は誰かはわからなかったんですけど、何だか慌てた様子でした。

“早く春海さんを結婚させなければ、あの子が32年前のことに気づいてしまう”って…すごく慌てたような口調で、そう言ってたんです。

“私たちが聖子さんを殺したことが春海さんにバレてしまったら、今までの苦労がムダになる”って…とにかく慌てていて、何だか西山さんに秘密にしていることがあるみたいでした」

僕は、気が狂いそうになっていた。

どうにか、なってしまいそうだった。