二人が、普通の関係じゃないのは容易に分かった。
美形君はあっさり席を移動してくれたし、二人の関係を聞くと『別に。彼女の言った通りですよ。何か問題でもありますか』なんてよく響く低音の良い声で答える。
高見ちゃんは右隣の彼を見ないように、気にしないようにしてるみたいで、美形君はどんどん不機嫌になっていく。
本当、愉しいんだけど。
高見ちゃんに『黒い』って言われても仕方ないねー。
実際、高見ちゃんは、俺の表面なんていつも見てない。
誰にも媚びない真っ直ぐで強い光を持つ瞳をいつも曇らせないから。
多分それは誰に対してもそうで、この美形君も、きっと彼女のそんな所に惹かれてるんだろう。

