コイツに出会ってから、色んなことが変わった。


たくさん自分を知ってくれる人が増えた。

素を出せる人がたくさん。


人を想う気持ちに様々な形があることを知った。


「……私、お礼が言いたいの。


何考えてるか本当よくわかんないけどさ、

いつも調子良くてへらへらしてるけどさ、

そんな稜佑のおかげで変われたと思う」


なんだろ、さっきまで高揚してた気持ちが

突然胸に染みてくる。


「……香乃子ちゃん?」


心配そうな稜佑の声を聞いて

少し視界が霞んだのを慌てて目をこする。


「稜佑言ったでしょ、

『これでもまだ香乃子ちゃんは俺の全部を肯定する?』って。

あの時はまだ自分の気持ちをわかってあげられてなかった。

でもね、私、改めて稜佑への気持ち見つけたの。



私は稜佑の全部を肯定も否定もしない。


私は稜佑の全部を信じて、愛する。



私が変わるきっかけをくれて、

こんな風に人を大切に思う気持ちをくれて、


ありがとう、稜佑」