――翌朝、登校すると、

紗依が真っ先に私の席に来た。


「香乃子!?……昨日あの後どうなった??」


そういえば、昨日は帰った後

何にも考えられなくて紗依に

大丈夫だったとか何も連絡してないんだった。


「ああ、なんでもなかったから!」


無理やり笑って、

紗依の肩をぽんとたたく。


「でもね、私たちが中学生のときから

彼女うちの中学入ってきたりすごかったの。

桃井くんに近づかないで、とか言われたんじゃない?」


無意識に耳がぴくっとしたのがわかった。


「……やっぱり」


心配そうに眉を下げる紗依。


「一度あの子に話しかけられると

しばらく嫌がらせみたいに付きまとわれてる子いたから。

桃井くんに相談してみたら?」


……稜佑に相談??

出来るわけないのよ。

関わるなって言われてるんだし。


「いいのいいの!」


「でも……」


伊東くんは彼らの家庭環境がおかしいって言ってた。


それを聞けば納得するのかもしれないし、

何か対策が出来るのかもしれないけど、

麗佳さんの望むようにもう稜佑とは関わってないし

付きまとわれもしないでしょ。